ダイヘンは、電柱に設置される配電用の変圧器の生産から始まり、溶接機、産業用ロボット、半導体製造装置用高周波電源など、社会のニーズに応える新たな製品の開発に取り組み、発展を遂げてきた企業だ。社会課題に正面から向き合う「研究開発型企業」を目指すという同社のビジネスの概要を、代表取締役社長の蓑毛正一郎氏にうかがった。
代表取締役社長
3つの技術ドメインで事業を展開
――貴社の事業概要をご説明いただけますか。
蓑毛 当社は、1919年に柱上変圧器の専門メーカーとして創業し、34年にはその技術を応用して電気溶接機の製造を始め、産業振興の波に乗り事業を拡大しました。80年代には自動化ニーズに対応して溶接ロボットに展開し、さらにこれらの技術を活かし、半導体製造装置用の高周波電源や、クリーン搬送ロボットも手がけるようになりました。
このように当社は、変圧器から始めた技術を応用することで成長してきました。現在は、強みとする独自技術の発展の方向性を示す3つの技術ドメイン――「エネルギーマネジメント」「ファクトリーオートメーション」「マテリアルプロセシング」の各分野で事業を幅広く展開しています。
――具体的には、どんな製品、サービスを提供しているのですか?
蓑毛 エネルギーマネジメント分野では、国内トップの柱上変圧器*をはじめとする配電機器や、各種受変電システムに加え、太陽光発電などの分散型電源を制御・管理するエネルギー・マネジメント・システム、EV用急速充電器などを手がけ、次世代の快適で環境にやさしい社会づくりに貢献しています。
ファクトリーオートメーション分野では、世界トップシェアのアーク溶接ロボット*をはじめ、加工・組立・検査・搬送を自動化するFAロボットシステムや、自律搬送台車、半導体ウエハの搬送ロボットなどにより、工場の省人化、労働環境改善に貢献しています。
マテリアルプロセシング分野は、長年お客さまのモノづくりの現場を支え、培ってきた世界トップクラスの溶接プロセス技術*を用いた各種溶接・接合機器、最先端の半導体製造装置に搭載される高周波電源システムなど、金属加工や半導体の生産に貢献することで産業発展を支えています。
* 業界内順位および市場シェアはすべてダイヘン調べ
経済的価値と社会的価値の両立を目指す
――2021年度から始まった中期計画「Step Up 2023」の目的と進捗状況を教えてください。
蓑毛 「Step Up 2023」では、限りある経営資源(ヒト・モノ・カネ)を集中的に投下し、資本効率を高める必要があるとの課題認識から、当社が強みとする技術を活かすことができ、社会課題としての重要性が高く、市場の成長が期待できる「脱炭素社会の実現」や「労働力不足解消」「多様な働き方の支援」を最重点分野と位置付けました。
そして、これらの社会課題解決に寄与する製品の開発・市場投入を目指す「Green Solutions & Tailored Solutions」の推進により、経済的価値と社会的価値の両立を目指しています。この中期計画に取り組んで2年が経過しましたが、社会課題解決に貢献する独自製品の開発・市場投入は着実に進んでおり、これらの2023年度売上高は全体の2割近くを占めるまでに拡大する見通しです。
その結果、2022年度業績は売上高・利益共に過去最高を更新、2023年度も増収増益の確保に向けて取り組んでおり、年間配当は7期連続の増配となる165円/株を予定しています。
――株主還元の方針を教えてください。
蓑毛 当社は、「みんなの幸せ同時達成」を会社の目的としています。「みんな」とは、当社を取り巻くステークホルダーであるお客様・社員・株主・資材取引先・地域社会と定義しており、それぞれに対する「幸せの目標値」を明確に定め、株主には配当性向30%以上を還元する方針です。
●会社概要(2023年9月末日現在)
概要 | |
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株式会社ダイヘン DAIHEN Corporation |
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電気機器 |
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1919(大正8)年12月 |
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3月 |
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東証プライム/福証 |
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代表取締役社長 蓑毛 正一郎 |
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10,596百万円 |
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27,103千株 |
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3,756人(連結) |
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