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「新NISA時代」だからこそ注目されるETF

株のように売買でき、 1銘柄で分散投資ができる 「新NISA時代」だからこそ注目されるETF

2023年12月7日
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2024年からNISA制度が大幅に変わることを受け、 個人投資家の間でETF (上場投資信託) の有用性に対する関心が高まっています。 そこで本記事では、 ETFがどのような商品であるかを基本的なところから解説し、 新NISAでの上手な使い方をご紹介します。 

株のように、相場を見ながら売買ができる

 ETF(Exchange Traded Fund)は、東証などの証券取引所に上場している投資信託です。一般の投資信託が日々算出される基準価額で取引されるのに対して、ETFは株式と同様、相場の動きを見ながら自分のタイミングで売り買いできることが最大の特徴となっています。日経平均株価やTOPIX、S&P500などの値動きに連動するインデックス型と、連動対象を定めず、指数を上回るパフォーマンスを目指すアクティブ運用型*の2種類が提供されており、資産運用の有力な選択肢として近年、個人投資家を中心にETFに対する関心が高まってきました。 
日本では2023年9月7日にアクティブETF(6銘柄)が初上場 

 

 ETFは、株式のようにリアルタイムで取引できる機動性に加え、海外株式や金(ゴールド)、不動産など多彩な資産に投資できること、手軽に分散投資できること、一般の投資信託と比較して保有コスト(信託報酬率)が低いことなど、多くのメリットを有しています。

 一方、 ETFの留意点としては、市場環境の急変や需給の偏りなどによって「市場価格」と「基準価額」に乖離が生じる可能性のあることがあげられます。また、ETFには、分配金を自動的に再投資する仕組みがないため、再投資をしたい場合は投資家自身で行う必要があります。

世界のミリオネアが認めたETFの有用性

 世界初のETFは、1990年にカナダのトロント証券取引所に上場した「TIPS35」といわれています。以来、ETFのマーケットは著しい成長を続け、2023年6月末現在、世界中の取引所に1万本以上のETFが上場し、運用残高は10兆ドルを超えています。なぜETFはこれほど多くの支持を集めることができたのでしょうか。

 世界のミリオネアの多くが、ETFを活用して中長期的な資産形成に成功してきました。例えば、お笑い芸人として、またIT企業の役員としてマルチな活躍を見せる厚切りジェイソン氏は、米国ETFで資産を運用し、FIRE(経済的自立と早期退職)のポジションを獲得しました。また、36歳でFIREを達成した米サンディエゴ出身のマイケル・クアン氏は、当初は成長性の高い個別株を中心に投資を行っていましたが、ポートフォリオの分散とコストの抑制を図るため、現在は投資資金の大半をETFに振り向けているとのことです。

 個別株投資は銘柄の選択次第で高い運用成果を得られますが、投資先の個別事情による株価急落でパフォーマンスが大きく毀損する可能性を内包します。一方、投資信託は手軽に分散投資できるものの、一定のコストがかかることや個別株のようなタイムリーな取引ができないことなどのデメリットが存在します。コストを抑えつつ、さまざまな銘柄あるいはアセット(資産)に分散投資し、なおかつ個別株取引と同様の機動性を維持したい──こうした個人投資家のニーズを満たす金融商品がETFといえるかもしれません。

お目当てがきっとある、多彩なラインアップ

 登場後しばらくは投資対象のアセットクラス(資産の分類)が限られていたETFですが、投資家の間で人気が高まるにつれて、さまざまな運用会社から新たなETFがリリースされ、現在ではほぼすべての資産運用ニーズに対応する多彩なラインアップが形成されています。

 国内のETF運用残高シェアでトップ*の野村アセットマネジメントは、1995年に国内初のETF「NF・日経300ETF」を上場して以来、時代に先駆けて商品を開発し、着実にラインアップを拡充してきました。現在は国内株式、国内債券、国内REIT(不動産投資信託)、コモディティ、外国株式、外国債券、外国REITなど幅広いアセットクラスを対象とする総計70本のETFを運用しています。  野村IR調べ 

 

 国内のETF市場では近年、「高配当」「ESG」「女性活躍」など、特定のテーマに基づいて組成されたETFも続々登場し、個人投資家の選択肢はますます拡大してきました。かつては個別株や投資信託を補完するオルタナティブだったETFも、今では資産運用のメインストリームのひとつへと進化を遂げつつあります。

「新NISA」で注目されるETFの使い勝手

 資産運用の新たな主役に躍り出たETFは、貯蓄から投資への流れを牽引する存在でもあります。わが国では2024年に、非課税保有期間の無期限化や年間投資枠の拡大を骨子とする新たなNISA制度がスタートします。新NISAには、年間120万円のつみたて投資枠と、240万円の成長投資枠が設定され、両者をうまく併用することで、理想的なアセットアロケーション(資産配分)を実行することが可能になりました。つみたて投資枠が一定の条件を満たした投資信託などに限定されるのに対して、成長投資枠は個別株式やETFが投資対象となっています(レバレッジ型など一部商品を除く)。

 新NISAではまた、保有する商品を売却すると翌年、売却した商品の取得価額分の投資枠が復活します。積極的に取引したい個人投資家にとっても、機動的な売買が可能なETFは使い勝手の良い商品といえるでしょう。日米の代表的な指数に連動する定番のETF、市場成長を積極的に狙うアクティブETF、高水準の分配金を期待できる配当重視のETFなど、性格の異なるETFを組み合わせることによって、新NISAのメリットを最大限に享受することが可能になります。中長期的な資産形成のために、そして豊かな投資生活を送るために、今こそETFに着目してみてはいかがでしょうか。


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