2022年1月4日、国内最大の総合物流企業・日本通運の株式移転により、持株会社「NIPPON EXPRESSホールディングス」が設立、新たなスタートを切った。トラック輸送、鉄道輸送、海運、航空運送、倉庫業、引越・移転事業、3つの専門輸送(警備・重量品建設・美術品)、物流サポートといったさまざまな事業を、多様な輸送モードによってグローバルネットワークで展開している。「物流から新たな価値を創造し、持続可能な社会に貢献する」と語る齋藤充社長に話を聞いた。

代表取締役社長 社長執行役員
創立100周年に向けた長期ビジョンとNXグループ経営計画2023
――「2037年ビジョン」で目指されている姿についてお聞かせいただけますか。
齋藤 創立100周年を迎える2037年に向けた長期ビジョンとして、「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を掲げました。2037年に連結売上高を3.5兆~4兆円規模とし、その半分を海外ビジネスで構成することを目標としています。
この実現への取り組みとしては、非連続な成長戦略としてのM&Aや、戦略・施策の取り組みを支える機能の強化、持続的な成長と企業価値向上のためのESG経営の推進を掲げています。海外市場を主戦場に事業ポートフォリオの最適化を具体的にイメージし、M&Aも活用してトップラインを引き上げることが重要なテーマと捉えています。
――長期ビジョン実現の第一歩として取り組まれている、5カ年計画「NXグループ経営計画2023」についてお聞かせください。
齋藤 2019年4月からスタートした「NXグループ経営計画2023」では、「コア事業の成長戦略」と「日本事業の強靭化戦略」を中心に収益基盤の拡大強化を目指しています。中間年度である2021年度に見直しを行いましたが、着実に取り組みの成果が表れていると判断し、大きな計画変更はせず、一部の経営数値目標やKPIなどについて修正しました。


ホールディングス体制への移行と新ブランド導入
――2022年1月にはNIPPON EXPRESS ホールディングスへと移行しました。
齋藤 ホールディングス体制への移行は、グループのさらなる成長のための必須事項であると社長就任時から構想していました。新体制においては、グループ機能を「グループ全体を俯瞰して戦略を構築する機能」と「事業を推進する機能」に分け、相互に連携をとりながら各機能の強化を図ることとしました。同時に、われわれがより注力すべき事業やカーブアウト*などの対象となりうる事業といった事業ポートフォリオの見直しの検討がしやすくなり、中長期の企業価値向上に欠かせないM&A戦略を進めやすい体制になったと捉えています。
あわせて、新たにグループブランド「NX」を導入し、当社グループ名も「日本通運グループ」から「NXグループ」へと刷新しました。新しいブランドのもと、グループの力を結集し、自らを進化させ続け、物流から新たな価値を創造することに挑戦しつづけていきます。
2022年度の上期業績は増収増益 年度業績見通しを上方修正
――直近の決算数値について説明いただけますか?
齋藤 2021年度より決算期を12月期に変更しています。2022年第2四半期累計の連結業績は、売上高1兆2,989億円、営業利益677億円と、対前年で増収増益となりました。ウクライナ情勢や中国上海地区のロックダウンなどを受け、経済活動の停滞や燃油費上昇等のマイナスの影響がありましたが、海外事業および国際物流は堅調に推移しました。下半期においても航空・海運事業は堅調と見ており、また、半導体不足が解消に向かい、自動車産業の取り扱い回復などが見込まれることから、2022年度の連結業績の見通しを上方修正し、売上高2兆6,000億円、営業利益1,200億円としています。
――最後に株主還元についてお聞かせください。
齋藤 当社グループは、株主の皆さまへの利益還元を最重要施策の一つとして認識しています。
安定配当とともに、NXグループ経営計画2023に掲げた、配当性向30%以上、今次経営計画期間(5年)累計での総還元性向50%以上を意識し、株主還元充実に努めていきます。
詳細につきましては、当社グループの個人投資家向けサイト「株主還元とメリット」をご覧ください。
今後も、グループの力を結束し、さらなる成長と企業価値向上に努めていきます。
引き続きのご支援をお願い申し上げます。
●会社概要(一部を除き2022年1月4日現在の情報を掲載)
商号 |
NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 |
業種 |
陸運業 |
設立 |
2022(令和4)年1月4日 |
決算月 |
12月 |
市場 |
東証プライム |
代表者 |
代表取締役社長 社長執行役員 齋藤 充 |
資本金 |
701億75百万円 |
発行済 |
90,599千株 |
従業員数 |
74,139人(2022年6月30日時点) |
《編集タイアップ広告》