2,000社を超える事業者がひしめく、 わが国の食品軽包装資材卸売業界 ──。 高速はそのトップ企業*であり、 唯一の上場企業だ。 同社は1966年の創業から今日まで、 1年の例外を除いて、 常に売上高が前年度を上回る目覚ましい成長を実現してきた。 宮城県仙台市を本拠に全国に広範なネットワークを展開する高速グループの競争優位の源泉と中長期の成長戦略について、 赫裕規社長にうかがった。 *高速調べ
代表取締役 社長執行役員
無ければ作る──メーカー機能を完備した食品軽包装資材の専門商社
―― 事業の特長と強みを教えてください。
高速グループは1966年の創業以来、 食品軽包装資材の専門商社として着実な成長を継続してきました。 1,600社以上の仕入れ先と14万点以上の取り扱い点数を誇る業界のリーディングカンパニーとして、 流通のあらゆるシーンで最適なパッケージソリューションを提案しています。
また、 お客さまの多様なニーズに対応するため、 グループ内に開発 ・ 生産機能を整備し、 「無ければ作る」 のスローガンのもと、 包装資材だけでなく各種販促ツールを制作したり、 包装に関わる機器を販売するなど、 幅広く事業を展開しています。
業界一の購買量が実現する 「商品調達力」、 包装に関する豊富な経験と知見による 「営業提案力」、 全国に広がるネットワークが実現する 「物流力」、 グループ企業との連携による 「商品開発力」、 それらすべてを備えた業界唯一の企業グループであると自負しています。
―― 食品軽包装資材卸売の市場動向をどのように見ていますか。
この業界はやや特殊で、 約2,000社の事業者が林立し、 そのほとんどが中小事業者です。 食品軽包装資材卸売の市場規模は1.6兆~2兆円と推定していますが、 業界唯一の上場企業である当社であっても、 市場占有率は5%程度にすぎず、 今後の開拓余地は十分にあります。
中食市場は新型コロナウイルスの影響を受けましたが、 テイクアウトおよびデリバリー業態の市場は高い伸長率を記録しており、 当社の主力マーケットは全体で見ると堅調に推移しています。 当社は、 人口減少が際立つ東北各県でも継続して売上高を伸ばしていますので、 トップ企業のスケールメリットや人財力を活かしながら戦略的な営業活動を行うことで、 今後もさらなる成長が可能だと考えています。
持続的な利益成長を通じて「高速ファン」の支援に応える
―― 高速グループビジョンに託した思いをお聞かせください。
当社は2026年2月に創業60周年を迎えます。 この節目の年を視野に、 2018年5月に発表したのが 「高速グループビジョン」 です。
当ビジョンでは、 ステークホルダーのなかに「高速ファン」を増やし、 社会にとって有用な「グッドカンパニー」になることを目指すべき姿として設定しました。 企業経営の究極の目標は、 ステークホルダーの期待に応え続けることであり、 売り上げや利益の拡大はそのための手段と認識しています。 長年にわたって利益成長を継続しているからこそ、 18期連続の増配も、 社員の待遇改善も、 東日本大震災の遺児支援も可能になりました。
高速グループビジョンには、 すべてのステークホルダーから信頼され愛されるグッドカンパニーでありたいという当社役員の強い思いを託しています。
―― 「中期経営計画」の進捗状況と今後の方針をご説明ください。
当社では、 高速グループビジョンを実現するためのプロセスを、 2つのフェーズで設定しています。 「中期経営計画 第1フェーズ」の最終年度であった2020年度は、 当社初となる900億円台の連結売上高と過去最高の同営業利益、 ならびに17期連続の増配を達成することができました。 コロナ禍における巣ごもり需要の増加という背景もありましたが、 世間では在宅勤務が主流になるなかで、 食の流通を担う社会的インフラのひとつである当社の役割を、 従業員一同が果たしてくれたことが大きかったです。
2021年4月に始動した「第2フェーズ」では、 既存ビジネスのさらなる深耕により、 連結売上高1,000億円、 同経常利益40億円を達成するとともに、 プラスαの取り組みにより売上高と利益のさらなる上積みを目指していく方針です。 そのプラスαの取り組みのひとつに、 これまであまり取り組んでこなかった 「新製品の開発」 があります。 せっかくお客さまの不満やニーズを聞ける立場にいるのだから、 「市場に無い物は作っちゃおうよ」 という形でイノベーションを起こすべく取り組んでいます。
株主還元については、 今後も増配を継続し、 最終年度である2025年度には22期連続増配を達成したいと考えています。 「第2フェーズ」最初の2021年度は、 連結売上高 ・ 同営業利益ともに過去最高を更新し、 グループビジョンの具現化に弾みをつけることができました。
環境配慮型製品の開発により、持続可能な社会の構築に貢献
―― ESGの取り組み方針と具体的な施策についてご説明ください。
当社グループは経済社会のサステナビリティを見据えて、 ESG経営の実践と進化に努めています。 LED照明の積極導入や生産活動における再生可能エネルギーの活用など多彩な取り組みを推進していますが、 現在特に注力しているのは環境配慮型製品の開発と提案です。
具体的な成果としては、 当社が推進する 「ドリームパッケージングプロジェクト」 において2022年3月、 バイオマス原料を40%配合したフォークスプーン (先割れスプーン) を発売したところ猛烈な引き合いがあり、 2022年7月現在でも月間100万本以上売れる大ヒット商品となっています。 発売した翌月に 「プラスチック資源循環促進法」 が施行され、 それまでプラスチックのカトラリー*を配布していた大手スーパーなどが、 環境配慮品としてこのフォークスプーンに着目したわけです。 このように、 当社グループは今後も廃プラスチック問題の解決や温室効果ガス削減に寄与する新商品を市場に投入し、 持続可能な社会の構築に貢献していきます。
――最後に、 この記事を読まれている方々にメッセージをお願いします。
高速グループは食品軽包装資材卸売業界のトップ企業ですが、 関西以西に拠点の空白エリアが多く存在するなど、 いまだ成長途上にある会社だと認識しています。 引き続き、 良好な市場環境を追い風に、 業容の拡大と収益性の向上に取り組むとともに、 成長力の源泉である人財の育成と活用に力を入れていく方針です。 株主・投資家の皆さまに対する利益還元につきましては、 今後も増配を継続すると同時に、 実効性ある投資を通じて中長期の成長を実現し、 株主価値の最大化を図っていきます。
2022年度決算からは、 株主さまにカタログギフトやQUOカードを贈呈する新たな株主優待制度がスタートします。 優待制度の導入により株主さまの日頃のご支援に報いるとともに、 当社株式を検討されている投資家の皆さまに高速グループの魅力と将来性を訴求していきたいと考えています。
●会社概要(2022年3月31日現在)
商号 |
株式会社高速 |
業種 |
卸売業 |
設立 |
1966(昭和41)年2月 |
決算月 |
3月 |
市場 |
東証プライム |
代表者 |
代表取締役 社長執行役員 赫 裕規 |
資本金 |
1,690百万円 |
発行済 |
20,973千株 |
従業員数 |
2,210人 (うち正社員1,001人) |
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