Q 「なぜNZで中古自動車？」

――三重県の伊勢で始めた貿易会社が、なぜNZ中心に中古自動車を輸出するようになったのでしょうか？
山中　当社は、創業初期から水産物の輸入取引によりNZと接点がありました。同国で自動車の輸入規制が緩和された際、1989年に日本からの中古自動車輸出を始めました。
　ちなみに、公共交通機関が発達していないNZでは、自動車は最も有効な交通手段で生活必需品です。新車より安価な中古自動車は輸入自動車の約半数を占めます。日本と同じ左側通行、右ハンドルということもあり、品質・性能の良い日本車はその約8割にも上ります。

 

Q 「資金回収サイトの仕組みを知りたい」

――日本で仕入れてからNZで販売するまで時間がかかり、相当な資金負担が生じると思いますが？
山中　私たちの売先は輸出先で活躍する優良ディーラーであり、一般消費者ではありません。通常の輸出取引と同様、船積みの時点で代金の回収サイクルに入ります。現地で与信管理と債権回収を行う事業も展開しています。また、1台ごとに品質を確認し、売先と合意したうえで仕入れていますので、不良性の在庫はほとんど発生しません。

 

Q 「NZの次はAU？」

――NZの次はAUとのことですが、どういうビジネスモデルを志向されていますか？
山中　まずNZでは、貿易を起点とした下図「バリューチェーン」モデルを展開しています。

山中　次にAUです。市場規模ではNZの5倍に相当し、NZと同様に、自動車は生活必需品でありながら自国生産がありません。その一方で、各種規制があり、輸入自動車の95%以上が新車という特徴があります。
　当社は、現地で中古自動車を仕入れて販売する事業をプラットホームとして、国内で完結できるビジネスモデルの構築に着手しました。さらに2023年の中盤に中古自動車の輸入規制が一部緩和されたことも踏まえ、もともと推進している検査・検疫事業や物流事業に加えて、NZで培ったノウハウも活かした、AU市場に適した新たなバリューチェーン（下図AUモデル）の構築を進めています。

Q 「これからは電気自動車（EV）の時代では？」

――EV化への対応は可能でしょうか？
山中　NZやAUは環境保護に力を入れており、ハイブリッド自動車（HV、PHV）に続き、EVのニーズも高まりつつあります。
　当社の検査事業は、現地のニーズに応じ、現地政府機関からライセンスを得た車両検査・検疫業務を行っていますし、私たちのビジネスモデル自体が、EVにも対応できるビジネスモデルなのです。さらにAUでは数年前に中古EV車を輸入するパイロットカンパニーを設立し、市場の変化に備えています。

 

Q 「巷を騒がす“あの事件”が気になります……」

――最近、国内の中古自動車業者による不正が話題になっていますが、貴社には同じような問題は起きませんか？
山中　私たちの仕入れ先はもっぱらオークション会社で、売先は海外の優良ディーラーです。一過的な利益ではなく、お互い信頼に基づく長いお取引を前提に仕事をさせていただいています。
　また、単に自動車を輸出するだけなく、環境規制や安全性基準に厳しいNZやAU政府から認証を得た船積み前検査・検疫の事業も行っています。仕入れの際の目利き、安全な輸送の手配、輸出先の基準国に合わせた検査・検疫などを通して、安全で安心な商品の供給を保証する事業を続けています。
　最後になりますが、社名のオプティマス（OPTIMUS）とは、ラテン語で「最善」「最適」を意味します。移動する楽しさ、移動のための安全な手段、移動する際の利便性と快適性をより多くの皆さまにご提供するのが、当社グループの使命です。その使命を全うするために、サービスの品質はもちろん、事業に取り組む姿勢も「最善」「最適」を目指しています。

 

Check！｜過去掲載記事はこちら
2022年9月16日公開 IRレポート⇒独自のビジネスモデルが強み　世界展開する自動車の総合サービス企業
2023年4月13日公開 フォローアップ⇒VUCA時代に適合した「チャレンジの継続」で事業を強化・拡大

●会社概要（2023年3月31日現在）

	概要
商号	株式会社オプティマスグループ OPTIMUS GROUP COMPANY LIMITED
業種	卸売業
設立	2015（平成27）年1月　※創業は1988（昭和63）年
決算月	3月
市場	東証スタンダード
代表者	代表取締役社長　山中 信哉
資本金	452百万円
発行済株式数	16,137千株
従業員数	単体33人／連結475人

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