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すべてのステークホルダーから選ばれる企業を目指す

エコノミスト櫻井英明が企業の核心に迫る すべてのステークホルダーから選ばれる企業を目指す

2022年11月25日
9753 アイエックス・ナレッジ
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アイエックス・ナレッジ(IKI)は、システムのコンサルティングから開発・検証・運用まで、幅広いITニーズにワンストップのソリューションを提供する独立系のシステムインテグレーター。卓越したコンサルティング力を強みに着実な成長を実現し、わが国の情報サービス産業を牽引してきた。
2022年3月期は前期比で増収増益を達成し、売上高200億円が射程に入った。「先進と信頼のソリューション」を標榜する同社の成長戦略と取り組みを、「兜町カタリスト」編集長・櫻井英明氏が、代表取締役社長・安藤文男氏に聞いた。

櫻井英明氏の質問に答えるアイエックス・ナレッジ安藤文男代表取締役社長(右) 
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長
櫻井英明氏

情報サービスを通じて人と社会の豊かさに貢献

櫻井 IKIは、1999年にアイエックスと日本ナレッジインダストリが経営統合して誕生しましたが、源流となる2社はそれぞれ1960年代、1970年代に設立されていて、いわば情報サービス業界の「草分け」です。

安藤 2つの会社の創業者はいずれも、情報サービスを通じて人と社会の豊かさに貢献したいという意識が強く、その精神がDNAとして現在まで当社に継承されています。
 2人の創業者は、同業他社と時には競合し、時には協調しながら、情報サービス産業全体の健全な発展を目指していました。また、お客さまとも緊密な関係を構築し、新たな価値の共創に努力しました。それが結果として日本の社会、経済の成長につながるとの信念を抱いていたのです。
 私自身も、情報サービス業界、ひいては人々の豊かな暮らしに貢献することを常に意識し、広い視野を持って経営にあたるよう努めています。

櫻井 安藤社長が前身のデータープロセスコンサルタント(1990年にアイエックスへ社名変更)に入社されたのが1979年ですね。まさにIT産業の歴史を体験されてきたことになります。そして、2001年にはアイエックス・ナレッジの代表取締役社長に就任され、業界全体に視野を広げつつ同社の成長を牽引してこられた。
 直近の2022年3月期の業績は、前期比で大幅な増収増益となっています。

安藤 2021年3月期はわずかに減収でしたが、2022年3月期は前期比7.2%の売上高増を達成できました。増収に転じられたことは、当社が今後、さらなる成長を追求していくうえで大きな弾みになるものと受け止めています。

2023年3月期は、売上高195億9,300万円、営業利益12億8,800万円を予想(2022年10月31日の公表値)

総合的・一貫的な情報サービスの提供に強み

櫻井 IKIは“ファーストコールカンパニー”を目指して先進的な事業運営に取り組んでこられました。業界内では独立系企業として独自の存在感を発揮しており、今では製造業から金融、官公庁、通信キャリアなどに向けて、業務アプリケーションの開発やシステム基盤の構築など幅広い分野で情報サービスを提供しています。
 安藤社長は、市場における自社の優位性や成長の原動力をどのように認識していますか。

「強みは3つある」と語る安藤社長

安藤 当社の強みを3点あげたいと思います。
 第1は、総合的なソリューションを提供していることです(図表2)。ITシステム構築に関するコンサルティングから開発・検証・運用まで、一貫したサービスをワンストップで提供しています。

 第2は、技術力です。技術力を磨き続け、高品質なITシステムを提案・構築してきた実績が、市場の評価に結実していると捉えています。

 そして第3の強みが、お客さまに恵まれていることです。各業界を代表する企業から信頼をいただき、長期の取引をさせていただいています。これは、かけがえのない財産だと考えています。

櫻井 長い時間をかけて培われたクライアントとの信頼関係は、今後ますます重要な経営資産になってくるでしょうね。

総合的・一貫的な情報サービスを提供している

3カ年のローリング方式で中期経営計画を推進

櫻井 ロシアのウクライナ侵攻に伴うサプライチェーンの混乱や原材料価格の高騰など、今、日本企業は歴史的な環境変化に直面しています。IKIの事業運営に際しても従来以上に慎重な舵取りが求められていると思います。中期経営計画から今後の展開をお聞かせいただけますか。

安藤 当社では、「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」を5~10年後を見据えた中期経営方針と定め、その具現化のための取り組みとして3カ年のローリング方式による中期経営計画を推進しています。

 中核事業については、今後もお客さまとの共創により拡大を図る考えです。
 事業基盤の強化では、技術者の確保と育成、デジタル化投資、成長スピードを速めるためのアライアンスやM&Aなど、さまざまな側面から事業推進体制の高度化を図っています(図表3)。
 
櫻井 国内では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や働き方改革の加速がウィズコロナ時代のトレンドとして注目を集めています。このような変化にはどのように対応していく方針でしょうか。

安藤 ご指摘のとおり、DXと働き方改革の2つの潮流が、経済社会の構造を大きく変えようとしています。当社では、お客さま企業のDX化ニーズに応えるため、AWS(※1)やAzure(※2)に対応したクラウド構築・開発やクラウドベースサービスの拡大に注力しています。

 また、ブロックチェーンなど最先端の技術分野に対する取り組みも加速させています。

3本柱でケーパビリティ(組織としての優位性)の拡大を図る
※1 アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services)の略称。Amazonが提供するクラウドプラットフォーム
※2 正式名称「Microsoft Azure」。Microsoft社が提供するクラウドサービス



 

櫻井 2015年に国連で「持続可能な開発目標」(SDGs)が採択されて以降、自然や社会のサステナビリティへの貢献が企業にも求められるようになってきました。IKIではどのような取り組みを?

安藤 2021年11月にサステナビリティへの貢献を重要な経営課題と位置付ける<IKIのSDGs宣言>を発表し、「平和と公正な社会」「すべての人が生き生きと活躍できる社会」「豊かで持続可能な社会」という3つの社会の実現に貢献していくことを内外に対して明らかにしています。

 

配当の適正化と機動的な自己株式取得で株主価値の向上を図る

櫻井 2022年3月期に前期比で5円増配となる1株当たり20円の年間配当を実施され、2023年3月期の年間配当はさらに5円増配の1株当たり25円を予定されています。また、自己株式の取得にも積極的です。株主還元の基本方針を教えてください。

安藤 安定配当を基本に、配当の適正化と機動的な自己株式の取得により、株主価値の継続的な向上を図っていきたいと考えています。自己株式の取得については、当社が2社の経営統合により誕生した経緯もあって、企業規模に比して発行済株式数がやや多いとの認識を持っており、今後も必要に応じて自社株買いを実施していく考えです。

櫻井 最後に、この記事を読まれている方々にメッセージをお願いします。

安藤 当社が提供する情報サービスは、メーカーのプロダクトと異なり直接目に見えるものではありません。しかし、現代社会の基盤である情報インフラを構築・運営するきわめて重要な仕事であると認識しています。

 私たちは今後も、社会インフラの一翼を担っているというプライドを胸に業容の一層の拡大を図り、あらゆるステークホルダーから信頼される企業を創造していきます。

2023年3月期は前期実績20円から5円増配の25円を予想(2022年10月31日の公表値)
* 2019年3月期の年間配当金の20円は記念配当10円を含む
※ 櫻井英明(さくらい・えいめい)氏プロフィール
ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。大学卒業後、証券会社での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月から現職。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。

●会社概要(2022年3月31日現在)

商     号

アイエックス・ナレッジ株式会社(略称:IKI)
I X Knowledge Incorporated

業     種

情報・通信業

設     立

1979年6月22日

決 算 月

3月

市     場

東証スタンダード

代 表 者

代表取締役社長 安藤 文男

資 本 金

11億8,089万7千円

発 行 済
株 式 数

11,200千株

従業員数

1,232人



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