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新たな価値提案で暮らしを変える<br />
日清オイリオグループの多彩な製品群

新たな価値提案で暮らしを変える
日清オイリオグループの多彩な製品群

2024年3月25日
2602 日清オイリオグループ
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日清オイリオグループの歴史は、 絶えざる価値創造の歴史である。 油脂の可能性を一つひとつ形にしながら、 着実な成長を遂げてきた。 その原動力は、 おいしさ ・ 健康 ・ 美の追求を謳った経営理念と、 その具現化に献身する社員たちの情熱であった。 家庭の食卓に独自の価値を提供し、 新たな市場を創出してきた多彩な商品群を紹介しながら、 同社の挑戦の軌跡と今後の戦略を紹介する。

1924年、 日本初の 「サラダ油」 発売

 クッキングオイル、 マーガリンなどを総称する 「油脂」 。 日清オイリオグループは、 「植物のチカラ®」 から生み出される 「油脂」 の無限の可能性に着目し、 豊かな食生活の実現に寄与する数多くの商品へと結実させてきた。

 1924年には国産初のサラダ油を市場投入。 日本に野菜の生食文化を紹介する。
 その後も、 食の洋食化の波を受けつつ、 ドレッシングやマヨネーズの作り方の実演販売などを通して一般家庭にサラダ油を普及させ、 「サラダ油のある食文化」 を定着させてきた。
 1970年代以降、 「日清サラダ油」 は食用油の代名詞的存在となっていき、 日清オイリオグループの草創期から成長期の事業基盤拡充に大きく貢献する。

 他方で、 日清オイリオグループは100年超にわたって油脂と向き合うなかで、 いち早くから研究 ・ 技術開発力を培い、 数多くの技術を開発し商品として上市してきた。 100年前に発売した 「日清サラダ油」 をはじめ、 さまざまな商品を生み出す礎となる研究開発は、 現在も同社の価値創造の源泉であり強みとなっている。

1924年に 「日清サラダ油」は誕生。 画像は左から1ガロン缶 (1925年頃)、 大瓶 (1927年頃)、 雑誌広告 (1927年11月頃)

「日清キャノーラ油」 などヒット商品を連発

 日清オイリオグループは1972年に 「日清サラドレ」 を発売し、 ドレッシング市場に本格参入。 1980年には、 画期的新商品 「日清マヨドレ」 を上市した。
  「日清マヨドレ」 は、 卵の代わりに植物性素材を使ったマヨネーズ風調味料で、 生活習慣病が気になる中高年層の絶大な支持を獲得した。

 さらに1992年には、 「油っこくないサラダ油」 として、 新種のカナダ産菜種であるキャノーラ種を使用した 「日清キャノーラ油」 を商品化。 本製品は1999年に、 日本食糧新聞社が毎年1回、 前年度の食品界において最もヒットした製品を表彰する 「食品ヒット大賞」 で、 「優秀ヒット賞」 を受賞した。

 日清オイリオグループは、 その後も革新的な商品を次々に送り出していく。
 日本人の嗜好に合う独自のオリーブオイル 「BOSCO」 の発売に続き、 偏りがちな食生活の栄養バランスや生活習慣病の予防をサポートする日清バランスオイルシリーズを上市すると、 2003年には中鎖脂肪酸を有効成分としてトクホ (特定保健用食品) を取得した 「日清ヘルシーリセッタ」 ( 現 「日清MCTリセッタ」 ) を新発売する。
  「日清ヘルシーリセッタ」 も2006年に、 前出の 「食品ヒット大賞」 で 「優秀ヒット賞」 を獲得、 日清オイリオグループのブランド価値の一層の向上に寄与することとなった。

「日清キャノーラ油」 (左) と 「日清ヘルシーリセッタ」 (現「日清MCTリセッタ」 )

オイルの特性と機能を活かし、 新市場を開拓

 日清オイリオグループの商品戦略は、 新しい機能や風味を持った商品を開発 ・ 提供するだけでなく、 独創的な商品を通じた価値提案で、 新しい市場を創造していくことにその本質がある。
  「BOSCO」 は日本にオリーブオイル文化を根づかせ、 オリーブオイルの日本の食卓への浸透によって油そのもののおいしさが理解され、 「かけるオイル」 の市場創出につながった。 同様に 「日清ヘルシーリセッタ」 は、 中鎖脂肪酸の有用性を広く社会に浸透させ、 「健康油」 というジャンルを確立している。

 日清オイリオグループの革新的な取り組みは、 2010年代に入っても減速することなく続く。
 2015年には、 家庭用食用油ではじめて揚げ物のカロリー低減を特長とする食用油 「日清ヘルシーオフ」 を新発売。 揚げ物の吸油量を最大20%低減した本製品は、 カロリーが気になる消費者のニーズに応えるとともに、 揚げ物需要の増大を通じて食用油市場のさらなる活性化に貢献した。

 また、 「日清ヘルシーリセッタ」 の成功を踏まえて、 中鎖脂肪酸100%のMCTオイルを積極展開し、 健康維持に役立つMCT関連商品の市場形成に取り組んでいる。

 このようにして、 一般消費者向け食用油市場で圧倒的なポジションを確立した日清オイリオグループは、 さらに業務用市場の開拓やパーム油を核とした加工油脂事業のグローバル展開など、 健康志向とマーケット志向を融合させた独自の事業戦略でグローバルトップレベルの油脂ソリューション企業を目指している。

カロリー低減を特長とする 「日清ヘルシーオフ」 (左) とMCT関連商品 (画像はドレッシングソース)

“サビない” オイル 「ヘルシークリア」 を発表

 日清オイリオグループが創り出した多彩な商品群はなぜ消費者から支持され、 歴史的なヒット商品となりえたのか。
 その最大の強みは 「油脂を究める」 というコアコンピタンスに集約される、 同社の価値創造サイクルにある。

  「植物のチカラ®」 を熟知した同社の開発者やマーケティング担当者は、 油脂のなかに人々の暮らしを変える可能性を見出し、 それを探求することによって新しい商品と市場を創出してきた。
 日清オイリオグループの事業とは、 豊かな社会に資する新しい価値を創造することであり、 それによって新しい食生活のあり方を提案し、 結果として新市場を形成させる取り組みなのだ。

  「日清サラダ油」 の発売から100年の2024年2月28日、 油の大敵である 「酸化」 を抑制する新技術 「ウルトラ酸化バリア製法」 を開発することにより、 つくりたての油のおいしさが開封後も持続する “サビない” オイル 「日清ヘルシークリア」 を家庭用食用油市場に新規投入した。

 成熟期商品で差別化の難しい家庭用食用油において、 食用油の劣化 ・ 酸化という消費者の潜在的な不安を払拭し、 開封後もつくりたてのおいしさが続くという新たな価値を実現した 「日清ヘルシークリア」 。
 この商品もまた、 今後のヒットを予感させる一品である。

2024年2月20日の新商品発表会でお披露目された 「日清ヘルシークリア」

取材協力 日清オイリオグループ株式会社




日清オイリオグループ
|IRレポート 「油脂に秘められた無限の可能性を切り拓く
」 に続く

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