月島ホールディングスの業績が好調だ。2024年3月期の連結決算は、2ケタの増収増益となり、売上高は4期ぶりに過去最高を更新した。この原動力となったのが水環境事業の好調で、特に2023年10月にJFEエンジニアリングと事業統合したことが大きく寄与した格好だ。月島ホールディングスは水環境事業においてどのような姿を目指していくのか。川﨑淳代表取締役社長にうかがった。
国内水事業のリーディングカンパニーに向けて
――JFEエンジニアリングとの国内水事業の統合効果について教えてください。
川﨑社長(以下、川﨑) 当社グループの主要事業である水環境事業では、日常生活に欠かせない浄水場や下水処理場等向けに設備とサービスを提供しており、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社(以下、JFEエンジニアリング)と国内水エンジニアリング事業を統合しました。
この事業統合によりさまざまなシナジー効果が期待できます。例えば、上水分野ではJFEエンジニアリングの強みである浄水処理技術が補完され、浄水場の一括更新が対応可能になります。下水分野ではお互いが強みとしていた汚泥処理の統合によりラインアップが充実し、汚泥焼却炉の国内シェアは約3割に高まりました。下水汚泥が持つエネルギーを活用し、固形燃料を製造する汚泥燃料化事業やクリーンな電気を生み出す消化ガス発電事業にも取り組み、脱炭素社会へ貢献します。
一方、サービス分野では、運転管理を担う機場(浄水場・下水処理場など)の数が約150カ所に拡大しました。このサービス分野は国内トップクラスであり、長期での安定収益基盤の強化に貢献します。
――水環境事業の目指す姿について教えてください。
川﨑 JFEエンジニアリングとの国内水エンジニアリング事業統合が順調に進んだこともあり、当社グループの2024年3月期の受注高・受注残高・売上高は、過去最高となりました。特に、水環境事業の受注残高は約2,320億円(前年同期比で2.3倍)となり、今後の増収の原動力となります。
今後もさらなるアライアンスやM&Aの実施、拡大が予想される官民連携事業への対応力強化により、国内水事業のリーディングカンパニーを目指します。
株主還元を拡充
――株主還元の拡充についてお話しください。
川﨑 2023年4月から始まりました中期経営計画では、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針のひとつとしています。この基本方針のもと、2024年3月期の1株当たりの配当金は、42円となりました(配当性向:67.3%)。また、自己株式の取得 (8億円)の実施により、2024年3月期の総還元性向は97.2%となりました。
株主還元につきましては、中期経営計画では配当性向40%以上、総還元性向50%以上を目標としていましたが、政策保有株式の売却額の拡大と検討中の設備投資時期の見直しにより、2025年3月期の配当性向の目標を50%以上に拡充し、2025年3月期の1株当たりの配当金は52円を予定しております。
引き続き、安定的な配当と継続的な増配に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取り組んでいきます。
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●会社概要(2024年4月1日現在)
概要 | |
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月島ホールディングス株式会社 TSUKISHIMA HOLDINGS CO., LTD. |
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機械 |
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1905(明治38)年8月 |
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3月 |
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東証プライム |
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代表取締役社長 川﨑 淳 |
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6,646百万円 |
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45,625千株 |
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単体107人/連結3,517人 (2024年3月末時点) |
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