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「くらしまるごと」戦略で<br />
暮らしをトータルサポート

家電販売を起点に、住建、金融、環境の各事業が連携 「くらしまるごと」戦略で
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2025年12月5日
9831 ヤマダホールディングス
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家電業界のパイオニアとして市場を牽引しつづけているヤマダホールディングス。
国内家電流通業界の構造的転換期といわれるなか、同社グループはいち早くこの変化を捉え、ビジネスモデルの再構築に取り組んできた。
その取り組みとは、創業者である山田昇代表取締役会長兼CEOが「新中期経営計画の目標達成を可能とする唯一の道筋」と語る「くらしまるごと」戦略だ。
2025年9月27日に行われた「個人投資家向け説明会」での山田会長のプレゼンテーションから、「くらしまるごと」戦略と新中期経営計画の概要を紹介する。

【開催概要】
■開催日:2025年9月27日(土)
■場 所:ベルサール秋葉原
■登壇者:
 山田 昇代表取締役会長 兼 CEO
 上野 善紀代表取締役社長 兼 COO
 小暮 めぐ美代表取締役 兼 副社長執行役員CHRO
プレゼンをする
山田 昇(やまだ のぼる)
代表取締役会長 兼 CEO

業界の変遷と「くらしまるごと」戦略

 私(山田会長)からは、経営環境の変化と当社グループが推進する「くらしまるごと」戦略について話をさせていただきます。

 日本の家電流通業界と家電業界は、今まさに構造的な転換期を迎えています。
 当社は、経営環境の大きな変化をいち早く捉え、家電量販店の枠にとどまらないビジネスモデルの再構築に早期から取り組んできました。
 それを明確な戦略としてまとめたのが、「くらしまるごと」戦略です。

各事業のシナジーで顧客基盤を広げながら持続的な成長を実現する「くらしまるごと」戦略

 実際には、どのような環境変化が起きているのか――、そのひとつが国内市場の縮小です。
 少子高齢化・人口減少は加速し、家電は耐久消費財としての特性から買い替え需要が減少しており、国内市場の縮小は避けられない状況です。

 加えて近年、家電メーカーの業界構造が急激に変化しています。
 最近では日本メーカーに代わり、中国をはじめとする海外新興メーカーが台頭し、勢力地図が塗り替わりつつあります。

 こうした変化を乗り越え、新たな成長へと前進するために、「くらしまるごと」戦略を打ち出しました。
 この戦略は、ヤマダホールディングスの強みを最大限に活かし、今年(2025年度)から5カ年をかけて進める新中期経営計画の目標達成を可能とする唯一の道筋であると確信しています。

「2026/3~2030/3 中期経営計画」について

 「くらしまるごと」戦略は、単に収益源の拡大を狙った事業多角化やコングロマリット化とはまったく異なります。

 新中期経営計画で明言しているとおり、この戦略は、家電を起点に、家具、リフォーム、不動産まで、「住」に関わるあらゆるニーズにワンストップ対応することで、顧客生涯価値(LTV)の最大化を図っていくというものです。
 家電量販店として築いてきたお客さまとの接点、信頼関係を活かして、日々の生活に寄り添い、長い人生を包括的にサポートする“ライフスタイル提案企業”へと進化する戦略なのです。

 そして、この戦略の中核を担うのが、3,000坪以上を目安とした地域最大級の売り場面積を有するコンセプトストア「LIFE SELECT」になります。

 家電、家具、インテリア、玩具、リフォーム、住宅展示などを体感できる複合店舗のLIFE SELECTは、「非価格競争力」の源泉であり、その集客力と提案力は競合との差別化を可能にします。

 検証を重ねた結果、「デンキ」「住建」「金融」「環境」のグループシナジーを最大限に引き出すには、これだけの規模の店舗が必要という結論を得ました。
 今後のLIFE SELECTの出店により、50万人商圏で十分な売上・利益を獲得できると見ています。

 LIFE SELECTの出店を強化し、日本最大級の店舗網や顧客基盤を有することで、競合他社にはまねできないほどのボリュームディスカウントが可能になり、収益力の強化につながります。
 さらに、リアル店舗と融合させる形でのEコマース事業の発展、DX戦略を推進させ、商圏を拡大し、在庫、物流、人員などを最適化してリソースの効率化を図ることができます。

 また、店舗開発で商圏をさらに広域化していくために、ショッピングモールなど大型複合商業施設を展開する異業種企業との共同出店も加速しています。今後は用地開拓や出店をよりスピーディかつ効率的に進めることが可能になると見込まれます。

 店舗の出店強化のもうひとつの理由は、顧客起点の発想力を活かしてPB(プライベートブランド)商品やSPA(製造小売り)商品の開発を推進するためです。
 2025年4月に販売を開始した高機能で低価格の斜めドラム式洗濯乾燥機「RORO(ロロ)」もその一例です。
 SPA商品は、低価格でありながら高い収益性を見込めます。今後は海外メーカーだけでなく国内OEMも含む商品開発を拡大し、売上構成比と粗利構成比の向上を図っていく考えです。

 「くらしまるごと」戦略を進めるなかで、住建セグメントの収益性向上にも努めていきます。長期的に見れば住宅は人々の暮らしの中心であり、そこに家電や家具、リフォームといったグループの強みが自然と組み込まれる構造にあります。
 LIFE SELECT店舗内では「家を売りたい」「空き家をどうすべきか」といった不動産相談にも対応できる体制を整えています。住宅の買い取りからリノベーション、再販売に至るまでを一貫して手がけ、グループシナジーの向上を図っています。

 他方で、家電リサイクルやリユース、住宅建築時に出る廃棄物等の熱源化といった資源循環にも取り組んでおり、現在、200億円を投じてプラント建設などを進めています。
 このような取り組みは、各方面から注目を集めており、循環型のビジネスモデルとして今後のさらなる発展が期待できます。

 さらに、「くらしまるごと」戦略のカギとなるのはやはり「人材」であり、人材育成への投資も強化していきたいと考えています。

 国内の家電市場がシュリンクしていくなかでも、ここまでお話しした「くらしまるごと」戦略の構想に基づいて積極的な投資を続け、新中期経営計画の目標達成に向けて歩みを進めていきます。
 

資本政策・株主還元

 企業価値を持続的に高めるためには、財務の健全性と資本効率の両立が不可欠で、成長投資と株主還元のバランスを重視したキャッシュアロケーションを推進しています。
 配当性向については、当社は40%以上を目安としています。当社は中長期的な企業成長に重きを置いており、成長投資と株主還元の最適なバランスを追求しています。

 着実な成長こそが、将来の株主還元の充実にもつながると考えています。
 「くらしまるごと」戦略の本質的な意義とともに、財務戦略や株主還元方針についても、株主・投資家の皆さまとの対話を通じて、より深くご理解いただけるよう努めていきます。

 当社は、創業時に、「創造と挑戦」という企業理念を活動の根幹に据え、それを積み重ねてきました。この姿勢は、創業以来、現在に至るまで一貫して変わっていません。
 さらなる成長ステージに向けて挑戦していくヤマダホールディングスグループに、ぜひともご期待ください。

 

●会社概要(2025年3月31日時点)

  概要
商号
株式会社ヤマダホールディングス
YAMADA HOLDINGS CO., LTD.
業種
小売業
創業
1973年4月
決算月
3月
市場
東証プライム
代表者
代表取締役会長 兼 CEO 山田 昇
資本金
71,149百万円
発行済株式数
966,863千株
従業員数
単体573人/連結25,676人


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