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職場つみたてNISAセミナー 第一回

2022/03/14(月)

コラム


ビジネスパーソンの資産形成にうってつけの制度

資産形成プランのひとつである「職場つみたてNISA」の普及促進を目的としたオンラインセミナーが、2回にわたり開催されました。このセミナーは、「職場つみたてNISA」がどういう制度なのかを紹介するとともに、投資信託への理解を深めてもらう趣旨のイベントです。その第一回(未上場企業向け)の模様を、採録記事としてお届けします

セミナーは下記の三部構成で行われました。

  第一部  資産形成をサポートする「職場つみたてNISA」
  第二部  「職場つみたてNISA」制度導入企業による事例紹介
  第三部  「職場つみたてNISA」のよくある疑問について
 

 


 

第一部  資産形成をサポートする「職場つみたてNISA」

 

講師: 横田健一氏

 第一部は、ファイナンシャルプランナーで、 株式会社ウェルスペントの代表取締役である横田健一氏による「職場つみたてNISA」の講義パートです。冒頭では、「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報発信やライフプラン・シミュレーションなどを行う横田氏の自己紹介があり、続いて「職場つみたてNISA」の説明が行われました。
 職場つみたてNISAとは、職場という身近な場を通じて、NISAを利用した資産形成ができるように事業主などが利用者(役職員など)を支援する、福利厚生の増進を図ることを目的とした制度であると横田氏は説明されました。

 グラフなどの資料を参照しながら、つみたてNISAの口座開設が急拡大している現況について紹介したほか、つみたてNISAの概要をiDeCoと比較しながら説明。iDeCoとの違いとしては、いつでも売却して引き出すことが可能であることが、つみたてNISAの大きな特徴だと横田氏は言います。
 また、 年間積立金額は最大40万円であるものの、 最長20年間の運用益が非課税になるため、非課税メリットは大きくなる可能性があることや、 積み立てる投資信託は加入者自身のスタイルで選ぶことができる、などの説明もありました。
 職場ではない、つみたてNISAを個人の方が始める場合は、相談をする相手がいなくて、口座開設や商品選びのところでつまずいてしまうようなことがありますが、職場つみたてNISAであれば、仲の良い同僚に聞きやすいとか、福利厚生の担当の方に相談がしやすいなど、職場全体で自然に積み立て投資に取り組むことができる。そういった特長についても、横田氏は強調していました。
 職場つみたてNISAへの理解が深まったところで、第二部が始まります。

●セミナーのようすは、下記URLをクリックしてご覧ください。
https://webcast.net-ir.ne.jp/0206tougounir2202/index.html
※再生ボタンを押した後に、 目次の 「第一部」をクリックしてください。


 

第二部   「職場つみたてNISA」 制度導入企業による事例紹介

■ 未上場企業2社の社長を迎えてのパネルディスカッション
 

【 2社のプロフィール 】
日本テクノストラクチャア株式会社
1975年創業。ソフトウェア受託開発業を展開。2019年12月に制度導入し、2020年4月よりつみたてをスタート。加入者は173名。奨励金は2,000円。

株式会社アイネットホールディングス
1946年創業。小売店向け菓子卸業を展開。2021年10月に制度を導入し、2022年1月よりつみたてをスタート。加入者は166名(うちパート社員94名)。奨励金は正社員2,000円、パート社員は1,000円。


横田 健一氏(以下、 横田) : 職場つみたてNISAを実際に導入されている企業様に、導入された理由や導入後の従業員の皆さまの反応などについて伺いたいと思います。まずは、古市社長にお聞きしたいのですが、職場つみたてNISAの第一印象はどういうものでしたか?

古市 和也氏(以下、古市):弊社では、確定拠出型年金や退職金制度をすでに導入していましたが、それにプラスαで何かできないだろうか、ということを社内で色々と検討していました。そんな折に、証券会社から紹介されたのが「職場つみたてNISA」です。あまり詳しくなかったので、従業員にどうやって説明すればよいのかということも含め、証券会社と知恵を出し合って、説明会を開催するなどして広めました。従業員からの評判はおおむね良好で、従業員250名のうち173名が職場つみたてNISAに加入しました。

横田:小黒社長はいかがでしょう。

小黒敏行(以下、小黒):弊社は現場での作業が主たる業務で、テレワークが難しい職種ですから、新型コロナが蔓延してしまうと業務が立ち行かなくなってしまいます。それで、感染対策と激励の意味も込めて、少額ですがコロナ手当のお支払いを開始しました。この話を証券会社にしたところ、「福利厚生の一環として、職場つみたてNISAにという制度がありますよ」と紹介されました。弊社の場合は2022年1月25日の給与からのスタートですので、まさにこれからです。

横田:職場つみたてNISAの導入を決めた経緯をお聞かせください。

古市:将来にわたる社員の安心安全のために、福利厚生の拡充を考える必要があると思っていたのです。そして、若年層にあたる従業員が生活設計への意識を醸成するようなきっかけも必要だろうと考えて、職場つみたてNISAを導入しました。少額ではありますが、給与に資産形成補助手当を付けることで、従業員が将来について考えるようになればと。さらに、それが積み立てられることで少しでも将来の安心につながればいいなと考えました。

横田:導入を決めた経緯やポイントは?

小黒:かつて弊社では、福利厚生としてホテルの割引券や色々なイベントのサービス券がもらえるような、補助的なクラブに加盟していたのですが、利用者が25%程度しかいませんでした。ある証券会社の方から職場つみたてNISAの話をうかがって、少額で福利厚生の一環として始めるにはいいのかなと思い、導入を検討しました。職場つみたてNISAの制度については、その証券会社が親しみやすいパンフレットを配布するなどの工夫をされたため、従業員からかなり興味を持ってもらうことができ、導入を決めるポイントになりました。

横田:従業員へのご説明の際に、工夫されたことは?

小黒:なるべく簡単に取り組めるような形でスタートができれば、ということは考えました。また、強制するものではないので、興味がなければやらなくてもいいですし、投資ですから当然リスクがあることも伝えました。弊社は比較的自由な社風で、自分で考えて自分でやるというスタンスが浸透していますから、その意味では説明もスタートも比較的やりやすかったです。

横田:加入者の加入理由としては、どういった内容が多いでしょうか?

小黒:銀行預金よりも少しメリットがあると考えている人が多いかと思います。また、長いスタンスでコツコツ積み立てていくという点にも魅力を感じているようです。世の中、絶対ということはなく、天災や事故に見舞われることもあります。そういうことに対しても少しずつできうるかぎりのことで備えていく。そういった意味でスタートしているかと思います。

横田:加入されていない方の理由としては、どのようなものが多いのでしょうか。

古市:はっきりとした理由はなく、「まだいいかな…」といったスタンスが目立ちました。将来への不安はあるようなのですが、自分で株式投資をしたいとか、一般NISAをやりたいなど、検討余地を幅広くとっておきたいという印象を持ちました。

横田:加入促進のために行ったことはありますか?

小黒:特にはありませんが、導入後1年なり2年なりが経過して、その様子次第で変更する必要なところがあれば、変更すればいいのかなと。長い目で考え、なるべく柔軟にとらえて運用していきたいと思っています。

横田:課題として感じていることはありますか?

古市:従業員の間では、給与天引きなので負担が小さいということと、いつの間にか溜まっているという点が非常に喜ばれており、加入して良かったという声がたくさん届いています。今後はこうした声を、まだ加入していないメンバーに伝えながら、常に門戸を開いた状態でこの制度を継続していきたいと思っています。

横田:古市社長、小黒社長、本日は大変貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

 

●セミナーのようすは、下記URLをクリックしてご覧ください。
https://webcast.net-ir.ne.jp/0206tougounir2202/index.html
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第三部   「職場つみたてNISA」 のよくある疑問について

セミナーの最後は、職場つみたてNISAに関するQ&Aパート。
横田健一氏が、よくある質問や疑問に、わかりやすくコンパクトに回答しています。


Q. よく比較される企業型確定拠出年金の、加入者にとってのメリットを教えてください。

── 企業型確定拠出年金は、事業主掛け金ということで会社側が負担してくれるというメリットがあります。また、運用益に対しては非課税で、受け取る時も退職所得控除や公的年金等控除があるなど、税制上の優遇があります。


Q. 職場つみたてNISAの加入者にとってのメリットは何でしょう。

── 第一に、運用益が基本的に20年間非課税です。また、自分の積み立てに対して会社が奨励金を出してくれる企業もあります。職場特有の部分に関しては、不明点や不安なところなどを同僚や担当者に気軽に相談できる、そういったメリットが考えられます。


Q. 職場つみたてNISAのデメリットはありますか?

── 職場つみたてNISAの場合、基本的には手取りの給与から自分で負担して掛け金を出していくので、そういう点をデメリットと考える方がいるかもしれません。


Q. 企業にとって、職場つみたてNISAを導入するメリットはありますか?

── 少し間接的な側面になりますが、従業員の方のライフプランや資産形成をサポートしていくことで、その方々が経済的な面で不安を感じることなく、安心して仕事に取り組んでいける。そういった環境を醸成できるという効果があるかと思います。


Q. 従業員がこの制度を理解できるか不安です。

── 株式を含む投資信託への積み立て投資なので、リスクや不安を感じるのは無理からぬことです。その意味では、経営者や福利厚生の担当の方が、ご自身でしっかりと制度内容を理解していただくということが大切です。本日ご紹介したような内容を、自信をもって説明していただければ、社員の方にも職場つみたてNISAの魅力はしっかりと伝わるのではないかと思います。


Q. 個人でつみたてNISAを行っている場合にも、職場つみたてNISAは使えるのでしょうか。

── NISA口座を開設できるのは、(その年においては)1つの金融機関でのみとなります。そのため、すでに個人でつみたてNISAをされている方が、職場つみたてNISAも同時に行うことはできません。ただ、例えば、2022年まではご自分の口座でつみたてNISAを行い、2023年からは職場つみたてNISAの口座で投資をしていくというように、年によって切り替えて変更していくことは可能です。ご自分の口座で投資してきた分については、非課税期間満了まで継続して保有し続けることができますので、このような形で検討されるのもよろしいかと思います。

 

●セミナーのようすは、下記URLをクリックしてご覧ください。
https://webcast.net-ir.ne.jp/0206tougounir2202/index.html
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