高度な課題解決力と豊かな商品展開力を併せ持つ「メーカー商社」として長い歴史を刻み、声価を高めてきたリックスグループ──。2021年には中期経営計画GP2023(Rix Growth Plan)を公表し、連結売上高500億円を目指す新たな取り組みをスタートさせた。リックスの競争優位の源泉と中長期の経営戦略を、安井卓代表取締役社長にうかがった。
安井 卓
やすい・たかし
代表取締役社長
パートナー企業は約2,600社
――事業内容と特色を教えてください。
リックスは製造業の生産現場で使用される設備・機器、部品、消耗品などを製造・販売しています。
仕入れ先企業(パートナー企業)は2021年4月時点で約2,600社。1907年の創業から今日まで、多彩な生産財を、鉄鋼、自動車、エレクトロニクスなどさまざまな産業に提供してきました。
また自前の工場と技術開発センターを有し、自社製品を幅広く展開、生産現場における多様な課題にワンストップのソリューションを提案しています。
グローバル展開にも注力しており、海外に11拠点を擁しています。
――メーカー商社を標榜されていますが、一般の商社とどこが違うのでしょうか。
私は企業の総合力を課題解決力と商品展開力(取扱製品数)の掛け算で捉えています。技術を基盤とするメーカーは課題解決力こそ非常に高い半面、取扱製品数は限られています。商社は膨大なサプライヤーと取引があり、取扱製品数は多いものの、独自の技術を持たないのが普通です。
そこでリックスでは、開発・生産機能を自社保有することにより、課題解決力と商品展開力の双方を高め、お客さまのあらゆるニーズに対応していくことを目指してきました。それが私たちの標榜する「メーカー商社」のコンセプトです。
また、リックスは独立系企業ですので、商品ラインアップの構築に際して企業グループや系列に縛られることがありません。それも当社ならではの強みだと受け止めています。
顧客密着で多様なニーズに対応
――リックスは1907年の創業から現在まで、一貫して黒字経営を維持してこられました。利益成長の原動力は何だったのでしょうか。
成長性の源泉は3つあると考えています。
第1は高い公益意識です。リックスは事業活動において、常に自社の利益より社会への貢献と法令の遵守を優先させてきました。公正さを重視する経営姿勢は、当社グループのDNAとして今も組織のなかに根づいています。
第2は環境変化への対応力です。経済社会や人々の価値観の変化に即応しつつ事業構造を変革、時代の要請に応える新たな技術・製品の探索と創出に取り組み、経営基盤の安定化を図ってきました。
そして、第3が顧客密着型の経営姿勢です。常にお客さまに寄り添い、伴走しながら、お客さまの抱えるさまざまな課題やニーズにお応えしてきたことがリックスの優位性の核心であり、持続的成長の最大の要因であると考えています。
GP2023のもと経営高度化を追求
――中期経営計画が2年目を迎えています。計画の骨子と目標をお聞かせください。
リックスは現在、2021年度から2023年度を対象とする3カ年の中期経営計画GP2023(Rix Growth Plan) を推進しています。
計画の全体方針についてご説明しますと、第1の「ビジネス領域」の拡大に関しては、モノづくりのプロセス全体に対応できる「複合型メーカー商社」として、試作・開発支援から機器の運用まで、幅広い機能の獲得と強化に努めています。また、EV(電気自動車)や再生可能エネルギーを始めとする成長領域の開拓や海外展開の拡充にも経営資源を積極投入しています。

第2の「収益性」の向上については、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じて経営と事業の効率化を図るとともに、利益率の高いオリジナル製品の開発・拡販に注力しています。

第3の「人材・組織」の革新では、ライフワークバランスの充実に加え、経営理念や行動指針の総体であるRIXing Action(リクシングアクション) を実践できる人材の育成に取り組んでいます。

*RIXing Action:リックスの経営理念・行動指針・社風・歴史・ビジネスモデルなどを表す総称であり、脈々と受け継がれてきたもの
そして第4の「ステークホルダーリレーションの向上」に関しては、CSV(Creating shared Value)活動を推進する一方、各ステークホルダーとの関係強化に努めています。

中期経営計画の定量目標として、連結売上高500億円(2021年度 399億円)、連結経常利益35億円(2021年度 29億円) を掲げています。
事業と社会貢献でサステナブル社会をリード
――昨今、SDGsやESGなど、サステナビリティへの貢献が企業の使命として広く認識されるようになってきました。リックスではどのような取り組みを進めていますか。
私たちはサステナビリティに寄与することが企業価値の向上をもたらすとの考えに基づき、取扱商材と事業活動の両面で社会課題の解決に取り組んできました。
商材面では、パートナー企業と連携して生産の効率化や二酸化炭素の排出削減に役立つ装置・機器の開発に注力すると同時に、お客さまに対しても地球環境にやさしい技術やソリューションをご提案しています。事業活動面では、社用車両のハイブリッド化や電動化に取り組んでいることに加え、工場でも太陽光発電など再生可能エネルギーの利活用を検討しています。
リックスではさらに、全国の子どもたちに演劇の感動を届ける「こころの劇場」(主催:劇団四季、舞台芸術センター)の福岡県での公演サポートや、子ども食堂を運営するNPO法人山王学舎の支援など、幅広い地域貢献活動、社会貢献活動を通じて、誰もが幸せに暮らせる社会の実現を目指しています。
――最後に「アイアールmagazine オンライン」の読者にメッセージをお願いします。
私たちはステークホルダーの方々を「ファン」と呼ばせていただいています。より多くの人々にリックスを身近に感じていただけるよう、今後も適時的確な情報発信に努めるとともに、継続的な成長を見据えて、事業基盤のさらなる強化に取り組んでいく決意です。
また、創業以来のDNAをしっかりと継承しつつ、産業社会の発展を支え、すべてのファンの方々にリックスの独自価値を発信していきたいと考えています。皆さまには今後とも当社グループをご支援いただきますよう、心よりお願い申し上げます。
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