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シンプルだが奥深い「黒字転換2倍株」とは

「MIR@Iマンスリーセミナー」レポート シンプルだが奥深い「黒字転換2倍株」とは

2023年1月13日
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豪華な講師陣が、オンラインで株式投資のポイントなどを解説する「MIR@Iマンスリーセミナー」。
2022年11月開催の同セミナーでは、日本金融経済研究所代表理事の馬渕磨理子氏に登壇いただき、「馬渕流 優良企業の目きき」と題して株式市場で評価される優良企業の見極め方をレクチャーいただきました。
その内容をレポート形式で紹介します。

今が狙い目の黒字転換2倍株とは?

 セミナーの中心テーマとなったのが、馬渕氏が提唱する「黒字転換2倍株」という銘柄選定方法でした。
 それは、赤字企業が黒字転換するタイミングを見計らって割安で株を買い、株価が2倍になったら利益を確定するというシンプルな投資手法です。

 馬渕氏は、「『黒字転換2倍株』を研究してきたのは、自分自身が損切りが苦手だったため」と語ります。

セミナー動画のキャプチャー


 「損切りが苦手な私が金融機関のアナリストだった時に、当時の上司に『黒字転換株は手堅い』と教えてもらい、以降、自分なりにこの手法を研究してきました。


 『黒字転換2倍株』のメリットは、赤字だった銘柄なので比較的割安に買えること、また値下げリスクも少ないこと、そして、実際に黒字に転換すれば多くの場合で株価の上昇が見込めることです。
 業績分析が主ですから、市況動向に左右されずに判断できるのも利点だと思います。

 これは、私のように損切りが苦手で、リスクはとりたくないが利益は欲しいという方におすすめの方法です。
 もちろん、黒字転換後もさらに成長すると思えば長期ホールドしてもいいでしょう。


 本来なら赤字転落しないような企業が、コロナ禍の影響で赤字を計上するケースが見られましたが、そうした企業もここにきて赤字から黒字へと浮上してきています。『黒字転換2倍株』は通常時より量産されているといえるでしょう」


 

「四半期」チェックで黒字転換点をつかむ

 黒字転換2倍株を探す最初のステップが、対象と想定される銘柄のリストアップです。

 「黒字転換2倍株を探すなら、オンライン証券などのスクリーニング機能を使い、『黒字化』、『黒字転換』の項目でリストアップします」


 このように馬渕氏は語ります。最初のこのスクリーニングで抽出される銘柄数は「150~300銘柄になる」とのことです。
 このなかから本格的な黒字転換が見込める銘柄をさらに絞り込み、20~30銘柄程度のウオッチリストを作成していきます。

 また、黒字転換2倍株を探す過程においては、“初動(=転換点)をつかむ”ことが重要で、そのために「通期」ではなく「四半期」での黒字転換に注目すべきだと馬渕氏は言います。

 「通期で黒字転換を確認できるタイミングでは、すでに多くの投資家が気づいています。
 そこで、少し早く初動をつかむため、四半期決算で分解して、連続していた赤字が黒字に転換する境目をチェックします。

 ウオッチリストに入れた企業の決算を数回見て、黒字浮上が見込めたら打診買い(*)も検討してみてください」


* 相場が停滞している状態の時などに、市場の反応を探るために小口の買い注文を出すこと


 
資料を参照しながら動画視聴が可能。セミナー動画では具体的な銘柄もあげながら解説
出所:日本金融経済研究所

通期予想の進捗率からさらに銘柄を絞り込む

 加えて、リストアップした銘柄のなかから“偽の黒字転換”銘柄を排除していくと馬渕氏は続けます。

 「“偽の黒字転換”銘柄を見極める際にヒントになるのは、四半期ごとの決算短信に掲載されている通期の業績予想です。

 業績予想の確実性は、営業利益・経常利益の通期見通しに対する進捗率で確認します。
 業態・業界で下期偏重などのクセがありますが、四半期ごとに25%ずつ進捗しているかが大まかな合格ラインです。

 決算資料から予想達成の確度を読み解き、自分のポジションを持つ。そのうえで、事業内容や売上高、黒字転換した時に投資家が殺到しがちな業界かどうかなどが判断材料になると思います」


 セミナーでは、具体的に「黒字転換2倍株」として4銘柄をピックアップして実例解説もしています。
 さらに、注目する最近のテーマとして「経済再開」「不動産」「輸出関連」「広告・マーケティング」をあげ、国の「骨太の方針」にも言及していました。

マクロ要因や国の政策の影響にも言及した
出所:日本金融経済研究所

 今回紹介した馬渕氏のマンスリーセミナーの動画は、MIR@I会員であれば誰でも視聴可能です。
 視聴方法は、「マイページ」にログインし、「みて貯める」の「MIR@Iマンスリーセミナー【11月】講師 経済アナリスト 馬渕 磨理子氏」をクリックしてください。
 セミナー動画は、2023年4月30日まで公開されています。

 

※ 馬渕磨理子氏プロフィール

一般社団法人日本金融経済研究所代表理事。京都大学公共政策大学院 修士課程を修了。トレーダーとして法人の資産運用を担う。その後、金融メディアのシニアアナリスト、FUNDINNOで日本初のECFアナリストとして政策提言に関わる。現在はさまざまな経済系の番組に出演。テレビでその顔を見ない日がないほど。プレジデントオンラインの執筆記事は掲載から半年間で累計6,000万PVを超え「日本一バズるアナリスト」といわれる。著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』 も好評
YouTubeチャンネル「馬渕磨理子の株式クラブ」では、
ほぼ2日おきに動画をアップしている
(クリックするとYouTubeチャンネルページに遷移)