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【連載企画】 会社四季報で有望銘柄を探す! 第1回

2021/02/05(金)

コラム

『会社四季報』(東洋経済新報社、以下「四季報」)には膨大なデータが載っていますが、それゆえに、使い方がよく分からないという声をよく聞きます。

四季報を活用して、どのように銘柄を分析すればいいのか。将来大きく成長する企業は、どうやって探せばいいのでしょうか。

四季報読みのプロである複眼経済塾の渡部清二塾長に、そのノウハウを伺いました。

4回にわたってお届けします!

 

【 第1回 】 四季報はいかにすぐれた投資ツールであるか

継続的に読破することで日本経済の動向が見えてくる

―― 渡部塾長が最初に、四季報の魅力を実感されたのはいつ頃のことでしょうか

渡部 最初の出会いは1997年の12月、つまり1998年の新春号ですね。当時、私は野村證券の長崎支店から本店資産管理一部(現本店営業部)に異動してきたばかりで、畏敬する先輩から四季報を読めと言われたのがきっかけです。

ただ、四季報に親しむ素地は、すでにありました。長崎支店ではマーケット環境が悪かったこともあり、お客さまのお役に充分に立てませんでしたが、その最大の原因は私自身の勉強不足。先輩の指示と勉強への意欲が相俟って四季報を読み始めたのですが、これが想像以上に内容が濃かった。

日本の全産業の売上高、そのおよそ半分を上場会社が占めています。全産業、全経済の縮図がそこにあるわけです。1年通して四季報を読むと、経済の動きが見えてくるし、伸びていく会社、株価が急伸する会社が分かってくる。これは面白いと実感したことが、会社四季報の機能や有効性に着目する契機となりました。

「四季報のプロ」こと、渡部清二複眼経済塾 塾長

世界で唯一、上場企業の「進化の軌跡」を完全網羅

―― 他の情報ツールと比較した場合、会社四季報の優位性はどこにあるとお考えですか。

渡部 会社四季報には3つの特長があります。継続性、網羅性、そして先見性です。まず「継続性」ですが、四季報は1936年(昭和11年)に創刊されてから、終戦の混乱期に一部ヌケているのを除くと、ほぼ一貫して刊行されてきました。トヨタが自動車生産に着手したばかりで、小さな囲み記事で取り上げられる程度だった頃から揃っているわけです。

つまり、日本の上場企業の全歴史を、企業自らが編纂した沿革でなく、外部評価を基軸にして辿ることができるのです。将来を予測するのが株式市場の機能ですが、過去を知らないと未来は見えません。四季報の継続性は個人投資家にとって非常に有益な特長だと考えています。

第2の「網羅性」については、もはや言うまでもないでしょう。すべての上場会社が1冊にまとまっている企業情報誌は、世界でも四季報が唯一の存在です。たしかにインターネットでも企業情報を取得することはできますが、企業を特定して検索するスタイルですから、四季報の一覧性や網羅性には遠く及びません。

ぱらぱらとページをめくっていて、興味深い企業に偶然出会うということがインターネットでは体験しづらいわけですね。1社1社の企業活動の積み上げが日本経済全体になる、つまりミクロの集合体がマクロになるということを最もよく体現しているのが四季報です。四季報で各産業の代表銘柄を分析していけば、日本経済の現況が理解できるようになります。


そして、四季報の3番目の特長が「先見性」です。四季報は80年以上前から四半期決算を掲載してきました。いまでこそ四半期情報の開示は一般的ですが、日本経済の黎明期にその重要性を認識していたことには驚きを禁じ得ません。

また、四季報には「今期」と「来期」の2期予想が掲載されています。当たるかどうかはともかくとして、経済と株式のプロフェッショナルである四季報の記者が約3,800社の全上場企業について予想記事を書いていることに価値があるのです。

私たちは四季報の存在を当たり前と受け止めているので、そのありがたさを忘れがちです。継続性、網羅性、先見性を兼ね備えている稀有な情報ツールであることを再認識し、もっと活用していただきたいと願っています。

「一人に一冊」が令和ビジネスパーソンの新常識に

―― インターネットの株式サイトや企業自身が発行する事業報告など、私たちは多様な情報ソースを利用することができます。情報の入手先を会社四季報に限定して大丈夫でしょうか。

渡部 私が主宰している複眼経済塾では、投資の三種の神器として、会社四季報と日本経済新聞と指標ノートを挙げています。指標ノートとは、毎日の株価と金利、重要な出来事を記入するノートです。しかし極端に言うと、経済や産業の動きを知るためには、企業分析の基幹ツールである四季報と、日々の最新情報にリーチできる日経新聞があれば充分です。

情報というのは、「量」を追求してもあまり意味はありません。それは単なる自己満足です。大事なのは、信頼できる情報源に絞り込むこと。真に有益な情報だけを取得し、それをしっかり理解・分析することが重要です。

個人投資家はもちろん、一般の会社員にとっても会社四季報は有益な情報ツールです。営業先や取引先の多くは上場会社ですから、その会社の歴史や現況、そして強みや課題を知ることは円滑な業務遂行の第一歩といえるでしょう。

日本の経済や産業を構成する1社1社について正確な情報を把握しておけば、仕事で役立つときが必ずくる。四季報は一人に一冊 ── それが、現代を生きるビジネスパーソンのマナーだと確信しています。

( 第2回につづく )

続きの記事はコチラ ↓
【 第2回 】  四季報はこう読む  ~次のテンバガー (10倍株) を見つける方法 ・ 前篇 ~ 

 

複眼経済塾の公式サイト<br />
https://www.millioneyes.jp/