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特別企画

2050年の未来社会を見据えて
「5つの変革」に挑む

小林 茂

小林 茂
Shigeru Kobayashi
代表取締役社長

日本ガイシは、2021年4月に小林新社長のもとで、2050年の未来社会を見据えた「NGKグループビジョン Road to 2050」を策定・公表し、「ESG経営」の推進をはじめとする5つの変革に取り組んでいくことを明らかにした。日本ガイシが描く将来の社会像と、ビジョン実現に向けた戦略・施策を小林茂代表取締役社長にうかがった。

2050年の社会を想定し
成長戦略を策定


──はじめに「NGKグループビジョン Road to 2050」を策定された背景を教えてください。

小林 日本ガイシは1919年の設立以来、時代の変化に即応しながらビジネスモデルの高度化と事業領域の拡大を図り、着実な成長を実現してきました。

 今後、さらなる発展を追求していくためには、世界がどのように変貌していくのかを見定めたうえで中長期的な戦略を遂行していくことが欠かせません。こうした認識に立ち、2050年の未来社会を想定し、取り組んでいくべき経営テーマを設定しました。

 それが「NGKグループビジョン Road to 2050」です。これが日本ガイシの成長戦略の指針となります。

──2050年を見据え、今なすべきことは何でしょうか。

小林 経済・産業の仕組みと私たちの暮らしは今後数十年にわたり大きく変化していくことでしょう。

 特に注目すべき潮流は「カーボンニュートラル」と「デジタル社会」です。日本ガイシは独自のセラミック技術を基盤に、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会の形成に貢献していきます。

 幸い当社グループは、現時点において、メガワット級の電力を貯蔵できるNAS®電池やCO2を分離できるサブナノセラミック膜など、この潮流に対応するさまざまな技術資産を保有しています。これら現有の技術・製品のさらなる用途開発に取り組むと同時に、積極的な研究開発を通じて新たなソリューションを創出することで、未来に貢献していきたいと考えています。
 

「5つの変革」で
事業構成を転換する


──2050年の目標達成のための戦略と施策をご説明ください。

小林
 5つの変革で事業構成を転換することが、私たちの「ありたい姿」を具現化する方策と位置付けています。5つの変革とは、「ESG経営」「収益力向上」「研究開発」「商品開花」「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進」を指します。

  「ESG経営」は、日本ガイシの最重要テーマです。特にE(環境)は、製品やサービスでカーボンニュートラルに寄与すると同時に、自社においても2050年の排出量ネットゼロを目指していきます。

  「収益力向上」では、今後5年間で稼ぐ力をさらに高めることで、収益確保と投資の好循環を作り出します。

  「研究開発」は、今後10年で3,000億円を投入し、その8割をカーボンニュートラルとデジタル社会関連に配分する計画です。

  「商品開花」については、セラミック製品のさらなる社会浸透を図るため、マーケティング活動や外部との価値共創に注力します。

 最後に、これらの変革を確実なものとするため、事業と経営を支える「DX推進」に取り組んでいきます。
 

2030年に新事業で
売上高1,000億円超目指す


──現在の日本ガイシの事業構造は、自動車の排ガス用セラミックスなど内燃機関向けが大きな比重を占めています。EV化が進行するなか、今後、どのように事業構造を変革し、収益を維持・拡大していく計画ですか。

小林
 EV化の流れが今後ますます加速していくことは間違いありませんが、内燃機関が一挙になくなるわけではありません。私たちは過去5年間、既存製品の事業拡大に対応するための設備投資を積極的に進めました。

 今後は継続的なリターンが得られる見通しであり、カーボンニュートラルやデジタル社会関連の新たな技術と新製品の拡充に取り組んでいきます。新しく事業化する製品により2030年には売上高1,000億円以上のビジネスを確立したいと考えており、これを「New Value 1000」と呼んでいます。

 事業構造については、カーボンニュートラルとデジタル社会関連の売上高を2030年には50%に、内燃機関向け需要がゼロになる可能性もある2050年には80%にまで引き上げる計画です。
 

日本ガイシが提供する
新たな価値(New Value)


──カーボンニュートラルやデジタル社会への貢献に期待できる技術や製品をご紹介ください。

小林
 カーボンニュートラル関連では、過酷な環境でCO2を分離・回収できるサブナノセラミック膜や、高容量で安全性の高い亜鉛二次電池ZNB®などの現有製品に加え、CO2や水から高効率で燃料・原料を合成できるSOEC(固体酸化物形電気分解セル)と合成燃料向けハニカム構造リアクターの事業化を進めています。

 デジタル社会関連では、高出力で短時間充電が可能な超小型薄型電池EnerCera®や次世代の高速大容量通信を牽引する各種ウエハーをラインアップしており、さらに自動運転の進化に寄与するモビリティセンター、自動運転や超高速通信を支える新規複合ウエハーの実用化にも取り組んでいます。

 こうした製品を適宜、市場に投入することで、豊かで快適な未来社会の実現に貢献していきたいと考えています。

「第三の創業」と位置付け
変革に取り組む


──最後に、本誌読者にメッセージをお願いします。

小林
 日本ガイシはBtoBの会社で「クロコ」のような存在として、社会の重要な基盤を支える事業を展開しています。

 海外売上高比率が70%を超えるグローバル企業であり、各事業領域において競争力のある製品群を有し、それぞれが多様な社会課題の解決に貢献しています。

 セラミックスという日本が世界に誇る技術領域で、当社グループはリーディングカンパニーの地位を確保しています。これまでに培ってきた技術と知見を駆使しつつ、今をいわば「第三の創業」と位置付け、変革に取り組み、さらなる成長を追求していきます。

 
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