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特別企画

革新と挑戦を積み重ね、
独創性と成長を追求するグローバル企業へ

東浦 知哉

東浦 知哉
Tomoya Higashiura
代表取締役社長

2021年3月期の連結決算で営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益において、過去最高益を達成したアサヒホールディングス。先鋭的な事業展開、SDGsに対する包括的な取り組みなど、時代を先取りした経営戦略は、投資家だけでなく日本の産業界からも熱い視線を集めている。代表取締役社長の東浦知哉氏に、同社の現在と未来について聞いた。


――はじめに事業の概要と、その特長や強みを教えてください。

東浦知哉社長(以下、東浦)  当社グループの主力事業は貴金属事業と環境保全事業です。

 貴金属事業に関して、日本・韓国・マレーシアにおいてリサイクル事業を展開しています。電子、触媒、歯科、宝飾などの多様な領域で発生する原材料をもとに、金・銀・白金族の回収、再資源化を行っています。

 また北米において、プライマリーと呼ばれる鉱山由来およびセカンダリーと呼ばれる宝飾産業由来の金・銀の精錬事業を展開しています。当社の北米精錬部門は世界5大リファイナリーの1つであり、米州最大の市場シェアを得ています(*)。

 当社の貴金属事業の強みのひとつは、ITを活用している点です。例えば、歯科医院で原材料が発生する貴金属を電子通帳上でお預かりし、預けたお客さまはスマートフォンなどで残高確認しながら、任意のタイミングで売却決済できる「アサヒメタルアカウント」という独自システムを運用しています。

 環境保全事業に関しては、多種多様な処理分野に対応する施設を保有し、主に産業廃棄物の適正処理・再資源化を推進しています。

 当社の環境保全事業がユニークなのは、北海道から沖縄まで全国に営業員を配置し、国内すべての許認可自治体から収集運搬の許可を得て、かつ自社施設だけに依存することなく、グループ外の多くの協業先と緊密な関係を築きながら、コンサルティング型の営業スタイルを確立し、顧客本位のワンストップ・ソリューションを実現している点です。

* アサヒホールディングス調べ


――創業から今日まで持続的な成長を実現できた、その原動力はどこにあるのでしょうか。

東浦  「アサヒウェイ」で掲げている「革新と挑戦」を念頭に歩んできたことが大きいと思います。

 当社は1952年の創業以来、市場や社会の変化を絶えず感知し、間断なく事業のスクラップ・アンド・ビルドを継続しました。2018年に上海および台湾の事業から撤退し、同年に祖業である写真感材事業から撤退しました。また、かつてのライフ&ヘルス事業セグメントの中核であったフジ医療器の株式を2020年に台湾企業に譲渡し、当社グループの経営資源を貴金属事業と環境保全事業に集中する決定を行いました。撤退した事業はすべて黒字事業でしたが、諸要素を精査したうえで撤退の意思決定を行いました。

 一方、新事業やM&Aには常に積極的です。2015年に英国のジョンソンマッセイ社から米国・ユタ州とカナダ・オンタリオ州に事業拠点を持つ精錬事業を買収し、買収後も大きな設備投資を続けています。2019年に米国・フロリダ州のリパブリックメタル社の資産買収を行い、コインやバー形状の貴金属製品を製作する事業資産を取得しました。これらが2021年3月期の業績に多大に寄与しました。

 これまでの利益成長の持続は、既存事業からの撤退と新規事業への進出の両面で果断であったことによってもたらされたと考えています。


――2021年4月、第9次中期経営計画(~2024年3月期)がスタートしました。本中計の狙いと骨子をご説明ください。

東浦  第8次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)において、目標の営業利益を達成しただけではなく、技術や人材に積極的に投資するという課題も遂行しました。これらの成果を土台として第9次中計をスタートしました。

 これからも利益成長を持続するためには、社会的価値に配慮しながら世界的な視野で市場を獲得することが必要であると考えています。第9次中計は4つの基本方針――①世界的な成長への基礎固め、②新たな人材政策の実施、③グループリスク管理の強化、④SDGsへの貢献――を定めています。

 「世界的な成長への基礎固め」に関して、貴金属リサイクルの新拠点建設を通じて国内基盤の強化を図る一方、北米精錬事業でつくりあげたビジネスモデルの全世界への展開を企図しており、グローバルに事業基盤を拡充します。

 「SDGsへの貢献」に関して、当社が国内のリサイクル原材料および北米のセカンダリー原材料から再生した貴金属は、環境に優しく、希少資源の循環利用に寄与しています。さらに当社は、顧客調査とトレーサビリティのしくみを駆使し、使用する原材料が環境汚染、児童労働、紛争・犯罪、不公正取引などに関与していないことを証明することができます。そのような証明を得た金製品は〝グリーンゴールド〟と呼ばれて高く取引される傾向があると同時に、SDGsに対応したソーシャルインパクトを備えています。このような貴金属製品を「アサヒブランド」で日本を含む世界全体に販売することを計画しています。

 また、環境保全事業領域においてDXプロジェクトを進めており、廃棄物の排出から処分に至る複雑な管理過程をデジタルでつくり直すことにより、産業全体の環境負荷を低減する契機を創出し、社会の低炭素化につなげていきます。

 さらに、本業とその進化を通して社会に貢献するだけではなく、既存施設において電力契約や業務用車両を見直し、新規施設において構造的な省エネ・創エネ対策を追求し、気候変動対策に取り組んでいます。加えて、女性社員の活躍支援などダイバーシティ・アンド・インクルージョンを推進しています。

――最後に株主還元の基本方針をお聞かせください。

東浦 
当社はこれまで株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的な配当の継続に努めてきました。第9次中計においても、今後の成長に向けた投資のための内部留保の充実を図りながら、現在の年間配当水準から目減りさせることなく、株主還元を実施します。

 当社グループはこれからも「革新と挑戦」を積み重ね、環境と社会をつなぐ循環経済の担い手として成長を持続し、すべてのステークホルダーにとって価値ある企業グループであり続けます。

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