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アイアールマガジン

IR MAGAZINE
連載企画

革新的なシェアリングサービスを通じて
日本企業のものづくりの
進化をサポート




神奈川県大和市の郊外風景のなかに白亜の建物が見えてくる。
2020年8月に完工した放電精密加工研究所の大和事業所だ。
同年11月には、従来の生産活動に加え、
同社が自社開発したデジタルサーボプレス機を
企業や大学などあらゆる研究機関の技術者に利用してもらう
シェアリングサービスを開始した。
大和事業所の取り組みと将来展望を紹介する。

 

圧倒的な精度とデジタル性能で
幅広いプレス加工ニーズに対応


 放電精密加工研究所は全国に10の拠点を擁し、「航空・宇宙」「環境・エネルギー」「住宅」「機械設備」「交通・輸送」の5つの事業分野において、さまざまな産業向けの部品加工・製品・サービスを提供してきた。そのうち「機械設備」分野では、プレスに関する3つの事業である「プレス機製造販売」「プレス部品量産」「プレス金型工法・開発」を集約し、さらに研究開発拠点を併設して誕生したのが、大和事業所(神奈川県大和市)である。2020年11月に本格稼働した。
主力設備は自社開発のデジタルサーボプレス機「ZENFormer」だ。大和事業所では「ZENFormer」の製造に加え、50tから1,000tまで仕様の異なるシリーズを常設し、自動車部品など、さまざまな産業向けの量産加工を行う。

 「ZENFormer」の最大の特徴は圧倒的な動的精度だ。従来の油圧式プレス機では、プレス加工中に発生する荷重の偏りに対して、上下運動するスライドの平行度を高精度で維持することが難しい。一方、「ZENFormer」は基本構造に4つのサーボモータと4本のボールねじを用いた駆動方式を採用し、スライド平行度を緻密にコントロールすることによってミクロンレベルの精度を実現している。また、通信技術やセンサー技術と融合することで加工情報を迅速に収集・分析することも可能になった。大和事業所では、金属加工に対応した標準タイプ以外に、樹脂と金属、炭素繊維を組み合わせた異種混合材(マルチマテリアル)などの加工材料の変化や品質の厳格化といったニーズの変化に対応するため、専用機の開発も行っている。
 

研究開発の専用フィールドと
技術者用の多目的スペースを充実


 新型コロナウイルス感染症の長期化もあり、日本の産業界は依然として低空飛行が続いている。設備投資を控える傾向にあっても、ものづくり業界は常に進化が求められている。そうした状況下、即決で設備購入できる企業はそう多くはないだろう。部品や素材メーカーの開発者には、社内の稟議をスムーズに通すためにも、設備の導入効果を「かたち」で示すことが求められる。

 こうした課題を解決する施策として打ち出したのが、「シェアリングサービス」である。メーカーの技術者に「ZENFormer」を使って開発品を試作してもらい、その優れた性能と操作性を体感していただく画期的な試みだ。放電精密加工研究所はこの新サービスのために200㎡の専用フィールドを用意し、同時に技術者たちがミーティングや休憩に利用できる多目的スペースを準備した。2020年11月のサービス開始以降、自動車部品はもとより材料メーカーからも申し込みや問い合わせが殺到し、デジタルサーボプレスへの関心の高さを裏付けることとなった。さらに設備販売だけでなくレンタルも開始し、「ZENFormer」への理解促進と市場浸透を図っている。
 

製造業の新たな可能性を拓く
共創型プラットフォームへ


 これまで開発や生産用の設備・機器は自社保有するのが当たり前と多くの人々が考えてきた。そうした産業界の常識や共通認識を、放電精密加工研究所はシェアリングやレンタルのサービス展開によって突き崩そうとしている。見据えているのは日本のものづくりの将来だ。シェアリングサービスを利用し、その精度の高さを実感していただくことで、「ZENFormer」の生産現場への採用を加速していく。そして日本企業における製品開発の質的進化と生産ラインの高度化を通じて、ものづくりの新たな可能性を広げていく。そのための共創型プラットフォームを提供するのが同社の狙いである。

 放電精密加工研究所は今、事業基盤の拡充と経営体制の強化に取り組み、さらなる成長を目指している。同社の沿革に画期を刻む大和事業所の取り組みは、持続的成長への確かなメルクマールとなるにちがいない。
 

Message
次世代型のプラントを目指して



代表取締役社長 工藤 紀雄(くどう・のりお)

 当社グループは1961年の創業以来、放電加工をコア技術に多彩な製品とサービスを産業界に提供し、継続的な成長を実現してきました。特にここ数年は収益力の一層の強化を目指して事業活動の効率化と生産体制の最適化を推進するとともに、当社グループならびに日本の製造業全体の今後の在り方に関して議論を重ね、中長期的な展望を描いてきました。こうした取り組みの成果のひとつが大和事業所です。本事業所では当社が開発したデジタルサーボプレス機「ZENFormer」を使用してプレス部品を量産しているほか、国内外のメーカー技術者に「ZENFormer」をご利用いただくシェアリングサービスやレンタルなど新たなサービスを導入・展開しています。また大和事業所についての情報発信や「ZENFormer」に関する打ち合わせや商談をリモートで行うなど、アフターコロナを視野に入れた新たな取り組みもスタートさせました。当社グループはこれからもお客さまの研究開発活動とものづくりをサポートして貢献していきます。



 
<アウトライン>
1961年に設立。60年培った加工技術力と工程開発力を武器に、「放電加工・表面処理」「金型」「機械装置等」の3つのセグメント技術を活かして、「航空・宇宙」「環境・エネルギー」「住宅」「機械設備」「交通・輸送」の5つの事業分野において技術提供をしている。2002年に世界初の直動式デジタルサーボプレス機「ZENFormer」を発表。2005年、クロムフリー表面処理剤「ZECCOAT」の製造販売を開始。99年にジャスダック上場。常に新しい技術開発および事業領域の開発に向けて挑戦しつづけている。

会社概要(2020年2月29日現在)
市 場 ジャスダック
資本金 889百万円

2020年2月期実績(連結)
売上高 11,127百万円
経常損失 ▲186百万円
親会社株主に帰属する当期純損失 ▲189百万円

資料請求・お問い合わせ先
(株)放電精密加工研究所 IR担当
〒222-8580 神奈川県横浜市港北区新横浜3-17-6 イノテックビル
TEL045-277-0330 
https://www.hsk.co.jp/


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